2020年6月25日は、旧暦の5月5日、中国では『端午節』の祝日でした。
日本でも5月5日は端午の節句、子どもの日(特に男の子の日)ですね!
中国の端午節は子どもの日ではなく、春節、中秋節と並ぶ中国の三大伝統節句です。
ちなみに中国の子どもの日は6月1日です。
今回は、中国での端午節の過ごし方をご紹介します。
端午節の由来とは?
そもそも端午節は、旧暦5月5日が『屈原(前340年頃〜前277年頃)』の命日であることに由来するそうです。
屈原は中国戦国時代、楚の詩人であり政治家。
秦国が楚国を攻めようとした時に屈原が王に進言を行うものの、数々の陰謀によって結局楚国を追われてしまいます。
その後秦国に攻められ死んだ楚王を嘆き悲しみ、自ら湖北省にある汨羅江(べきらこう)に石を抱いて投身し、入水自殺しました。
その後、屈原の死を悲しんだ人々が船を漕いで彼の遺体を探し出そうと試みます。
その際、屈原の遺体を魚から守るために川に米を投げたことや、旧暦5月が雨季を迎える季節のため体調に気をつけなければならない時期であること、屈原があの世で空腹にならないように米を竹筒に入れて川に投げ入れたという話などから、現在の端午節の習俗につながったそうです。
約2300年前に由来する端午節!中国の歴史の長さを実感します。
ちなみに日本の子どもの日に鯉のぼりが飾られるのは、中国の「登竜門」の伝説に由来していると言われています🎏
ちまきを食べる
端午節の過ごし方の一つが、日本と同じで「ちまき」を食べること。ちまきを食べて健康を祈ります。
ちまきの中国語は「粽子 zòng zi」。
街角やスーパーにも売っていますが、家庭で作る人が多いです。
私も友達が作ったちまきをいただきました。
中国のちまきは、南方ではお肉などが入ったしょっぱい味、大連を含む北方ではナツメや小豆を入れて砂糖をかけて食べる甘い味のちまきが一般的です。
日本で食べるちまきは南方のしょっぱい味が普通ですよね。
お米も、もち米が使われていたり、黄色い黄米が使われていたりします。
お肉入りのしょっぱいちまきとナツメ入りの甘いちまきのどちらも食べましたが、今までしょっぱいちまきしか食べたことがなかった私には、正直ナツメ入りの甘いものはちょっと無理でした。。
味や食感はおはぎなんかに近いですが、なんで甘いの・・・って感じ。戸惑いました(笑)
中国人の同僚は逆にお肉入りのが無理で、砂糖をつけて甘くしたちまきしか食べないとのことでしたので、好みによりけりだと思いますが、「中国全土で甘いちまきよりしょっぱいちまきの方が3.6倍多く売れた」というデータもあるそうです。
五彩縄を身につけて過ごす
続いての習慣は、「五彩縄 wǔ cǎi shéng 」と呼ばれるミサンガのような飾りです。
この「五彩縄」は端午節の日に身に着け、端午節から初めて雨が降った日に切って水につけて捨てる習慣があります。
そうすることで厄を水に流せるそうです。
糸で自分で作る人もいますが、端午節の一週間ほど前から街角の至る所で買うこともできます。
▼私は3本10元(約160円)で買いました。自分の好きなデザインを選ぶ楽しみもあります。
知り合いの一人に『この習慣は昔はやったけど今は子供くらいしかやる人はいないよ』と聞きましたが、端午節の日に街を歩いている人を観察すると、老若男女問わずたくさんの人が腕につけていました。
3割くらいの人がつけていた印象です。
端午節から5日後の6月30日に雨が降り、水につけて捨てました。
他にも色々な習慣が!
実際私が行ったことはちまきと五彩縄だけですが、他にも「竜船」と呼ばれる竜に似せて作った船のレースが行われる地方もあります。
屈原の供養という意味があるそうです。
端午節の英語 “DRAGON BOAT FESTIVAL” は、この竜船から来ているんですね!
その他、菖蒲の葉を掛けて邪気を払ったり(日本でも子どもの日に菖蒲湯に入りますね)、「雄黄酒」というお酒を飲んだり撒くことで殺菌、虫除け、病気の予防をするそうです。
伝統を大切に
端午節の起源が2300年前の屈原の死にあり、それが伝統節句となり現在にも受け継がれているなんて、本当すごいことです。
今まで日本の子どもの日は「祝日だ!やったー」と思うだけでしたが、こうやってちまきを食べたり、五彩縄に健康を祈ったり、伝統を守っていくことが大切だな、としみじみ感じました。
ここからまた何千年もずーーーっと続くといいです。
健康にまた一年過ごせますように。
最後までお読みいただきありがとうございました❣️