『勉強方法や勉強時間はどれくらい必要なんだろう・・・』
日本語教育能力検定試験の出願をして、こんな悩みがある方がいるかもしれません。
結論、日本語教育能力検定試験に、独学での合格は可能です。
私は2018年度の試験に独学で一発合格し、現在は中国で日本語教師として働いています。
独学でも大丈夫!試験まであと3ヶ月でも大丈夫!
実際に私が行った勉強方法や合格までの勉強時間をご紹介します。
受験までの私の状況
私が初めてこの検定の存在を知ったのは2018年の5月でした。
「海外・仕事」で検索していたときに検索結果に引っ掛かった日本語教師の仕事。
日本語語教師になるためには、
② 学位を持ち、かつ日本語教師養成講座420時間コースを受講し修了する
③ 日本語教育能力検定試験に合格する
以上の3条件のどれかが必要と知り、将来的に使えるかもと思い願書受付中だった検定に出願しました。
正直日本語教師になることは考えていなかったので、大学含め今まで関連のことは何も勉強していませんし、420時間講座は値段を見て速攻で諦め(笑)、検定で頑張ってみようという気持ちでした。
そのため、私は完全にゼロからのスタートでした。
必要なのは赤本と過去問
出願後に試験対策用に教材を買ったのは5月。
赤本(日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド)と、合格問題集、そして合格するための基礎知識50と過去問2年分を購入しました。
▼合格するための基礎知識50は赤本に比べて小さいので持ち歩き用に便利▼
▼過去問は2年分または3年分あるといいと思います▼
それ以外の問題集や書籍には手を出しませんでしたし、振り返ると他の教材をやる余裕はありませんでしたので、これで十分だと思います。
実際に費やした勉強時間
5月に教材を購入したもののあと半年もあると余裕ぶっこき、その後7月、8月は中国で語学学校に通い、9月にはHSKの受験も控えていたので、本腰入れて日本語教育能力検定の対策に手をつけたのは9月に入ってからでした。
5月から隙間時間に赤本や基礎知識50を読んだりしていましたが、残念ながら何も頭に入っていなかったと思います。
そこで、単純な私は教師の条件として420時間講座があるのなら、420時間勉強すれば受かるんでしょ?と考え、まず420時間を目指して勉強し始めることにしました。
そこからstudyplusアプリで勉強時間をつけ始めたのですが、結果、、、、
▼紫の部分が日本語教育能力試験関係です。(黄色は中国語)▼
試験までの学習時間トータル136時間46分!!!
420時間には遠く足りませんでしたが、約137時間の勉強時間で合格することができました。
私の場合受験当時ニートだったので試験前に時間が取れ、試験直前に集中して追い込めたことが良かったかもしれません。
合格までの勉強方法
・徹底的に教材を読む「7回読み」
実際に私がやった勉強方法で一番効果があったのが、赤本の「7回読み」です。
東大主席で在学中に司法試験合格、財務官僚・弁護士を経てハーバード大学にも留学した山口真由さんが提唱した「7回読み勉強法」を2年前に知り、この検定対策で実践してみることにしました。
7回読み勉強法のやり方は名前のとおり一冊の教材を7回読むことです。
1回目:
まずは章のタイトルや見出しを頭に写し取る感覚で、全体は漢字を中心に、さっと流し読みをし、全体の構造を掴みとる。
2回目:
1回目と同様に、漢字を意識しながら、2行ずつ斜め読みをするいめーで、もう一度流し読みをする。
一度目で見出しを頭に入れている分だけ本の内容が捉えやすくなるそうです。3回目:
さらに流し読みを重ねる。
あくまでも理解するのではなく流すように読むのがポイント。4回目:
頻出のキーワードやポイントに注目しながら、普通のスピードで読んでいく。
この段階でもまだ内容を理解できなくても構わないそうです。5回目:
基本は4回目と同じだが、キーワードとキーワードの間の説明文を意識しながら、キーワードが「どのように説明されているか」、に注目。ページや段落の要旨を掴む。
6回目:
5回目で要旨を掴んだので、細部に目を向けていく。
細部とは、要旨を説明する具体的な事例などにあたる部分。
要約していくイメージ。7回目:
頭の中に写しとってきた内容を、最後にまとめ、定着させる。
1回目、2回目には用語も文法も初めて見るものばかりで何がなんだかさっぱりわからないのですが、3回、4回と読み進めていくと不思議と理解が深まっていきます。
7回読む頃には、ああ、これはあれでしょ、と説明できるくらいになるのです。
3、4回読んで理解ができた頃に、合格問題集も取り入れて問題を解き、更なる知識の定着を目指しました。
検定は記述問題以外は4択のマークシート形式なので、ノートにまとめるなどの書いて覚えることは一切せず、見たらわかる状態を目指しました。
過去問を解く
赤本の7回読みと合格問題集を繰り返し、試験の約一週間に購入していた過去問を解いてみました。
そしたら驚くことに、半分くらいしか正解できなくて・・・。
さすがに血の気が引きました。笑
やっぱり過去問を解いて初めて本当に知識が定着したか確認できるものです。
一瞬絶望しましたが、過去問の答え合わせをしっかりし、ケアレスミスや出題ポイントを確認しました。
過去問は絶対解くべきです。(ただ、この過去問、問題と答えだけで解説は載っていないので解説をネットで確認するのが非常に面倒くさかったです。)
過去問を解くタイミングも、一週間では遅すぎた感があり非常に焦ったので、二週間前くらいまでには一度解いておくことをおすすめします。
音声問題対策
音声問題対策については、最初は全く聞き分けができなかったので、とにかく問題を聞いてアクセント(ドとミ)が取れるようにしました。
日常生活で発する言葉についても、ドとミのアクセントを意識し、口内の舌の位置を確認するようにしていました。
難しかったですが、この項目は勉強していてとても楽しかった!
音による舌の位置の変化などは今の中国語の発音にも役立っているので、勉強できてよかったです。
記述問題対策
記述問題対策は、正直私は何もしていません。
というより、対策のしようがなかったです。
本番の出題テーマも採点基準もわからないし、独学なので当然練習で書いたものを添削してくれる人もいません。
なのでここでは合格点は目指さないで、半分取ろうという気で臨みました。
赤本や合格問題集の例題や過去問の模範回答例を読んで雰囲気を掴み、あとは小論文なんて久しく書いていないので、基本的な構成と原稿用紙の使い方の確認だけしました。
本番は、頑張って文字数の400字ギリギリまで書くように心がけました。
試験当日の心構え
試験当日は、周りの人みんながとても優秀に見えて、私が見たこともない教材を使って最終チェックをしている人ばかりで、赤本しか持ってない自分の戦闘力の低さに震えました。
でも大丈夫。あとは自分を信じて問題に向き合うのみです。
検定は相対点で合格が決まるとも言われているので、もし問題がやたら難しく感じても、その時はみんなも難しいので合格点が下がるだけです。
私は検定のご褒美にマレーシア旅行を計画しており、試験終了後そのまま羽田空港に向かい、深夜便でマレーシアに飛びました。マレーシアだけを楽しみに一日の試験を乗り切りました。
ちなみに、試験後の感想としては『ただただ難しかった・・・・』。
音声と記述問題は比較的できた自信があったのですが、4択は悩んだものが多かったです。
落ち込むのが嫌で、解答速報を使った答え合わせはしませんでした。
さいごに
現在日本語教師として思うことは、日本語教育能力検定に合格することはほんの一歩ということ。
私は検定合格だけを目指して上記の方法で勉強してきたので、試験終了後に勉強した内容の大半を忘れ、実際に日本語教師として働く今は毎日が戦いです(笑)
ですが、日本語教師の仕事は本当に楽しいです!
まずは検定合格で、読んでくださったみなさんの将来の選択肢が増えますように。頑張ってください!