日本語教師になりたい方!転職を考えている日本語教師の方!海外で働いてみたい方!
私は2019年12月から中国にある民間の語学学校で「日本語教師」として働き始めました。
日本語教師としての仕事を見つけるまでやお給料、働き方など、中国現地採用の日本語教師の実態をまるっとご紹介します。
はじめに
私は2018年に夫の仕事の都合で中国大連にやってきました。
1年ほどは語学学校に通ったり、日本と中国を行き来したりして過ごしたのですが、夫が中国で独立するタイミングで中国での就職活動を開始。
2018年の10月に日本語教育能力検定試験をとっていたこともあり、2019年12月から中国の日本語学校(=イメージは日本語塾)で日本語教師として働いています。
日本語教師として採用されるまで
就職活動を始めた当初、せっかく資格をとった日本語教師として働いてみたいと思い動き始めました。
まずは中国語を勉強するために通っていた大学に日本語学部があったので、その大学で働けないか、実際に働いていた日本人教師に話を聞き、たまたま知り合いを通して知った今の職場にも話を聞きに行きました。
同時に日本の海外転職サイトからも求人情報を確認していました。
就活を始めたのは2019年4月でしたが、その時は残念ながら大学や現在の職場は空きがなく、泣く泣く日本語教師の道は諦めることになりました。
その後2019年9月からIT企業に就職しました。
日本語教師へと転職するきっかけとなったのはこのIT企業が遠すぎて通勤がしんどかったこと。
ふざけんなよっと思われる理由ですが、この会社にずっと勤め続けることはできないと思い、そこから再度大学や現在の職場の日本語教師枠がないか、数少ない知っている日本語関係者全員に連絡をしました。
そしてタイミングがいいことに、半年前にはなかった空きがあったのが今働いている日本語学校です。
ちょうど私が連絡した時期に、新たに一人採用することが決まったとのことでした。ほっ。
とある大学からもぜひ来て欲しいと言っていただけたのですが、翌年2月の新学期からの勤務だったため、1秒でも早くIT企業を辞めたかった私は現在の日本語学校に決めました。
中国とビザの問題
海外で日本語教師として働くには当然ビザの取得が必要です。私が勤めている民間の日本語学校の場合、中国の就労ビザを取ることになります。
中国の就労ビザの取得には、【4大以上卒・類似職務経験2年以上】が必須条件です。
そこに、今回は日本語教師としての資格も求められ、日本語教育能力検定試験の合格証を提出しました。
実際私は日本語教師の経験はなかったのですが、今回すでに前職で就労ビザが出ていたこともあり、ラッキーでビザがおりました。本来は未経験で中国民間日本語学校への就職希望の場合(新卒の方も同様)は、ビザの取得が難しいかもしれませんが、ここは中国。こねくりまわしてみる価値はあるかもしれません。おすすめはできませんが(笑)
ちなみに大学で日本語教師として働く場合は民間とはビザの種類が少し違うそうです。
大学の場合、就労ビザではなく専門職ビザを申請するらしく、オファーいただいた大学からは、経験がなくても資格の証明があれば大丈夫、と言われました。
大卒は絶対条件ですが、未経験の方でも大学の講師枠ならビザが降りやすいかもしれません。
気になる待遇
気になるお給料についてお話しします。
ずばり、今の私の1ヶ月のお給料は、1万元(約15〜16万円)です。
為替によりますが、年収だと200万円弱です。
もちろん月の授業数によっても多少変わりますが、基本的には手取り1万元くらいです。
数百元の税金などが引かれたあとの金額です。
最近人民元が安いので日本円に換算したお給料がどんどん減っていて悲しい・・・(涙)
2年目からはボーナスの代わりに年一回日本と中国の往復航空券代が出ます。
どうでもいい話ですが、中国にいる日本人駐在員のおじさま方は、月8万元(約120万円)くらいもらってるらしいです。そりゃ、中国人の若い女の子連れて遊びますよね・・・。
現地採用なので駐在員のような大金は望めませんが、大連の平均月収は6000〜7000元であり、物価や家賃は日本よりも安いので、十分暮らしていける金額です。貯金もできます。
日本の損保会社でOLをしていた時と比べ給料は半分以下ですが、今の生活のほうがよっぽど余裕があります。
働き方
出勤は週5日。一般的な会社と同様、1日の拘束時間は8時間です。
そのうち5時間が授業で、残りの3時間は学校で授業準備に充てたりごはんを食べたりしています。
授業はクラス担任制ではなく、その時その時間に振り当てられた単元を初級から高級まで教えます。
日本人教師が担当する文法と会話のクラスと、中国人教師が担当する文法や読解のクラスがあります。
民間学校なので、学生は小学生から社会人まで様々。日本へ留学したい学生や趣味で学ぶ学生まで、動機も様々です。時々日系企業社員向けのビジネス日本語トレーニングも行います。
検定は取っていたものの完全に日本語教師未経験の状態で入社したので、最初は授業準備に恐ろしく時間がかかり、学校+家でもひたすら次の日の準備をしていました。
月に100コマ教えているので、半年経った今はほぼすべての単元を1巡したので少し心に余裕ができました。
月に100コマということは、授業数だけの単純計算だと1万元÷100コマ=時給100元(1500円〜1600円)ですね。
大学で教える場合
日本語教師としての就活中にいくつかの大学にも日本語教師の条件を聞きましたので、一例ですが共有します。
大学の場合、担当する学年と担当するクラスが決まっています。
例えば一年生の会話クラスを担当することになれば、会話の教科書を一年かけて学生と一緒に勉強していくイメージです。
文法は中国人の先生が教えることが多いそうです。
大学は授業以外にテストの作成や成績をつける等の事務作業、スピーチ大会の指導などがあります。
一週間の担当コマ数は10コマほどで(1コマ90分)、拘束時間は授業の時間のみだそうです。(実際はそんなわけにもいかないでしょうが・・・。)
お給料は1ヶ月6000元〜8500元くらいと、大学によってまちまちです。
長期休みに入る8月や2月は無給もしくは半額の給与になります。
大学の場合、大学の寮に無料で住め、朝食と昼食は学食での食事がつく大学もあります。
うーん、大学も魅力的ですね。
中国人に日本語を教えるということ
私が住む大連は100年前は日本の統治下にあったこともあり、親日で日本語を話せる中国人が他都市よりも多く、日系企業も何千と進出しているため日本語の需要も高いです。
そんな土地柄、今は英語よりも日本語ができる中国人のほうがお給料が良いそうです。
学習者の熱意に加えて、漢字がわかる国民なので、中国人の日本語習得スピードは早いなあという印象です。(他の国の人を教えたことがないので比較はできませんが)
つまり、日本語教師として教える側としても、学生が理解できない文法や語彙があっても漢字を書いて説明すれば伝わることが非常に多いのです。中国語があまりできなくても問題ありません。
中国人以外の、英語も中国語も使わない学生に日本語指導を行うと想像すると、恐れ多くて身が縮こまります。
もちろんこれから、世界各国の人に日本語を教えたいと思っていますが、日本語教師のファーストステップとして中国人学生に教えることができたのは本当に良かったです。
日本語を勉強している中国人学生は、みんな礼儀正しくてマナーもよく、とても真面目な人ばかりです。
あとは、純粋に中国という国はおもしろい。
急成長を遂げている中国に住み、最先端の技術に触れたり、中国人の起業魂を近くで見たりすることは自分の考え方や生き方を考える上で非常に刺激をもらっています。
おわりに
中国での日本語教師の一例をご紹介しました。
私は中国での生活も日本語教師の仕事も楽しくて、中国でこの仕事を初めてよかったなあと日々実感しています。
海外で日本語教師を目指す方の参考になれば嬉しいです!